おでかけ

2018.05.25

ようこそおおきに。椿屋劇場支配人ことライター椿屋です。

みなさん、京都お好きですか? 社寺、お好きですか?

 

映画村→城→府庁→鴨川と取り上げてきた当マガジンにて、よ!う!や!く!京都のロケ地に不可欠なお寺シリーズの幕開けでございます。ご愛読者のみなみなさま、大層お待たせいたしました♡

「コンビニよりもお寺と神社の数の方が多い」なんてことが、まことしやかに囁かれる京のまち。ときに取材で、ときに案内人として訪れ、千鳥足で抜け道に利用することもあったりなかったりする社寺が、信仰心に拘わらず、すっかり身近な存在になって早20年弱。各方面からの「ベタじゃないネタくださ~い」というオーダーに応えたリストに「ちょっとマイナーかと……」と困惑され、修正された内容に「ベタやん!!」とつっこんでしまう一連の流れを繰り返し、「ベタ」のゲシュタルト崩壊を受け入れざるを得ない今日この頃ですが……数多ある寺社仏閣の中、寸毫の迷いなく初回に選んだのは、山科にある隨心院!

前回の取材ですっかり意気投合した「京都市メディア支援センター」の信國さんが、間髪を容れずに推薦してくださったお寺へ、早速行って参りました。

 

 

ここは、平安時代の女流歌人で六歌仙の一人として知られる小野小町ゆかりの門跡。その出自には諸説あるものの、美人の代名詞となるほどの美しさを持ち、際立つ詠歌の才にて東宮の寵愛を一身に受けたといわれる小町が、七小町の伝説としても扱われ、千年以上にわたって愛され続けているのは、みなさまご存知のとおり。

 

 

受付手前には、小倉百人一首「花の色はうつりにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに」の刻まれた歌碑が立ち、彼女の絶世の美貌と知性にあやかろうと訪れる女性の参拝者が後を絶ちません。

日本三大美人の秋田小町、近頃では炸裂する女性の本音に世の殿方が慄く発言小町(読売新聞)、遡ればプリンセスプリンセスの前身たる赤坂小町まで――――いまでも美しい娘のことを○○小町なんて呼ぶのは、小野小町その人に由来しているんですから、美女信仰、恐るべし。

 

 

また、境内にある小町が朝夕化粧をしたと伝わる井戸はもちろん、美人にしか許されない最強の塩対応!「百夜通(ももよがよい)」伝説で有名な深草少将をはじめとする当時の貴公子たちが挙って寄せた恋文を埋めた文塚なども、ぜひともご覧あれ。

 

 

取材当日は、突き抜けるような晴天。庭園や竹林の新緑がとことん眩しく、土いきれ満ちる中、お庭を行ったり来たりしながら撮影をしていると……婚礼衣裳に身を包んだ初々しい新郎新婦と遭遇☆

 

 

 

前撮りのために名古屋から来られていたのは、大阪出身の新郎×京都出身の新婦という濱地ご夫妻。なぜ隨心院で? との質問に、「雰囲気がすごく良くて。緑が豊かで、とても気に入りました」と旦那さま。凜々しいお姿が、初夏の爽やかさを運んでくるがごとく。

 

 

「当院は婚礼の前撮りも多く、ときにはこっちで婚礼、あっちでロケと、並行して撮影していることもありますよ」とのこと。撮影されていたのは、京都最大級の婚礼写真&フォトウエディング専門店「STUDIO TVB KYOTO」。

 

ほんに、紋付きの黒と色打掛の赤が濃淡さまざまな緑に映えて、大変美しゅうございました。京都のロケ地に、和装が似合う! 間違いありません。どうぞ末永くお幸せに(やや棒読み)。

 

 

>時代劇で引っ張りだこの3つのロケーションとは?

Information
店舗・施設名 隨心院
住所 京都市山科区小野御霊町35
電話番号 075-571-0025
営業時間 9:00~16:30
交通 地下鉄小野駅より徒歩5分
駐車場 あり(30台) 無料
料金 500円
ホームページ http://www.zuishinin.or.jp/

Writer椿屋 山田涼子

アバター画像

Writer椿屋 山田涼子

京都拠点の映画ライター、グルメライター。合言葉は「映画はひとりで、劇場で」。試写とは別に、年間200本以上の作品を映画館で観るシネマ好き。加えて、原作となる漫画や小説、テレビドラマや深夜アニメまでをも網羅する。最近Netflixにまで手を出してしまい、1日24時間では到底足りないと思っている。
Twitter:@tsubakiyagekijo

  • 公式LINE
  • 公式Facebook
  • 公式X
SCROLL TOP
pagetop