ようこそおおきに。椿屋劇場支配人ことライター椿屋です。
みなさん、京都お好きですか? 自然、お好きですか?
山紫水明の美しい自然を有する京都では、緑豊かなスポットがそこかしこに点在し、公園や小路なども立派なロケ地としてさまざまな作品の舞台となっています。
その最たる場所が、事件を解決すると歩きたくなる鴨川べりです。これからの季節、恋人たちが等間隔で並ぶ姿を観光客が橋の上から写真に収めるという古都の新名所。中でもロケ地として大活躍しているのが、高野川と賀茂川が合流する地点にある三角州――その名も、
「鴨川デルタ」!でございます
懐かしいところだと、在日朝鮮人の高校生VS日本の高校生たちが乱闘を繰り広げた『パッチギ!』や、オニ語で鬼や式神を使役して勝敗を決める“ホルモー”で戦う『鴨川ホルモー』のロケ地として知られ、多くのファンが川に架かる飛び石を渡りに訪れていたものです。最近では、3月にご紹介したみなみ会館もロケ地になっていた『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』のクランクアップした場所としても注目を集めました。
折角ですので、ここで椿屋劇場版の福士蒼汰と小松菜奈も披露いたしますね♪
はい、ドーン!
いやん、胸キューーーーーーーン!!!!
あら、なんだかざわざわしてませんか? アオハルすぎて羨ましいのでしょうか。おほほほほ。
え? なんですか? ん?支配人、転びかけたんですかって? ええ、ええ、まったくもってご想像の通りでございます。仕込です。し・こ・み!
息子じゃございませんよ。流れ弾に当たるかのごとく飛び石でわたくしに捕獲されたのは、大学時代のご友人の結婚式のためにはるばる東京からお越しだった好青年!
いきなり声をかけ、スマホで画像を見せて迫ったにも拘わらず、快く再現撮影にお付き合いくださり、「旅のいい思い出ができました」と爽やかな笑顔で去って行ってしまわれたわたくしの脳内妄想彼氏でございます。
「嗚呼……」
と、突然ですが、錆びた電柱でのこのポーズ! 事件現場を目撃した市原悦子じゃあございませんよ。
すぐに思い出せる方は、なかなかの映画通かとお見受けいたします。そう、ここは『クローズド・ノート』で沢尻エリカ様がへたり込まれた電柱。実はわたくし、まさにこのシーンの撮影現場を橋の上を走る市バスの中から目撃したのです。
まさかあのときは、10年以上後に己がエリカ様御用達電柱をお借りすることになろうとは思ってもみませんでした。
近くには世界遺産・下鴨神社もあり、参道でもある「糺の森」もまた緑あふれる癒しの場。ここでは、『本能寺ホテル』、『関ヶ原』、『最後の忠臣蔵』、『阿修羅城の瞳』などが撮影されています。
まぁ基本的に、京都のグリーンスポット=恋人たちのデートスポットなんですけれども。アオハルすぎて、目を細めて眺めておりますとも。
前出の『鴨川ホルモー』『ぼく明日』『クローズド・ノート』ともに、柳の緑と川面がきらきらと眩しい白川の一本橋も登場いたします。
そしてエリカ様、『天使の卵』ではこの白川で犬の散歩をされています。ロケ地とは、得てしてカブるものでございます。
ところで、社寺や施設以外のまちの何気ない場所で撮影をする際、どこにどうやって許可を取ればいいのかご存じですか? まさかのゲリラ? いえいえいえ、京都市にはちゃーんとロケのお手伝いをしてくれるプロフェッショナルがいらっしゃるのです!
というわけで、今回は、「京都市メディア支援センター」にお邪魔して、その立ち上げから尽力されている信國さんにお話を伺ってまいりました。
メディア支援センターは、京都市内でのロケ・取材に関することならなんでもおまかせ!な支援総合窓口。
年間180件もの撮影をバックアップし、各メディアを通じて京都ならではの魅力を発信するフィルム・コミッション業務を担っているのです。
「180件とは言っても、大半は歴史番組や旅番組、バラエティなんです」と教えてくださる信國さんは、『マザーウォーター』を初仕事としてセンター開設時から様々なお手伝いをされてきた方。同作中、タカコ(小泉今日子)の営むカフェになった「カフェしずく」は、以前住んでいた家から徒歩1分もかからないところにあって、これまた撮影を横目で見ながら通り過ぎた経験があるのです。本当に、京都はどこもかしこもロケ地になっちゃうまちでございます。
「私たちの主な仕事は、スムーズに撮影が進められる環境づくり。様々なロケのお手伝いをしていると、京都に長らく住んでいても知らないことだらけで面白いですよ。やればやるほど、京都って素敵!なんて奥深いの!って思います。個人的には、白川のあたりが好きです。南禅寺から永観堂への道もベタですが、ベタなだけの魅力があります。もちろん、中心部だけではなくて、北や南にもいい所はたくさんあって、まだあまり知られていない場所の情報をお伝えするのも楽しいですね」
店舗・施設名 | 鴨川デルタエリア |
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交通 | 京阪出町柳駅下車すぐ |
Writer椿屋 山田涼子
Writer椿屋 山田涼子
京都拠点の映画ライター、グルメライター。合言葉は「映画はひとりで、劇場で」。試写とは別に、年間200本以上の作品を映画館で観るシネマ好き。加えて、原作となる漫画や小説、テレビドラマや深夜アニメまでをも網羅する。最近Netflixにまで手を出してしまい、1日24時間では到底足りないと思っている。
Twitter:@tsubakiyagekijo