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2018.04.29

 

八瀬の新緑に癒されるひと時を求めて。

 

■「瑠璃光院」は春の拝観開催中! 「青もみじ」や「苔の庭」を堪能して

 

 

さて、八瀬比叡山口駅の改札を出ると、正面に地図がありますので、まず確認を。瑠璃光院に行くには、地図に向かって右手にある橋を渡ります。

 

そして、橋を渡ってから右へ。左に行くとケーブルの駅がありますよ〜。

 

こんな道を通っていきます。右手に川が流れています。瑠璃光院には駐車場がありませんので叡電で行きましょうね。

 

駅から5分ほどで「瑠璃光院」に到着します。明治時代に建てられた別荘があり、公卿・三条実美が「喜鶴亭(きかくてい)」と名づけました。その名は、今も茶室名として受け継がれています。そこに昭和初期に、京数寄屋造の名人と称された棟梁・中村外二により大改築されたのが始まりです。築庭は、佐野藤右衛門一派の作だと伝えられています。

期間限定公開のためか、どうやら開門前から並ぶ人もいらっしゃるようです。

 

瑠璃光院の山門。ここで拝観料を支払います。ボールペン(写経用)や写経用の紙などがいただけます。

 

玄関から上がっていくだけでも苔やもみじの新緑に癒されます。

 

比叡山の伏流水が豊かに流れ出しています。

 

建物「書院」の中に入り玄関で靴を脱ぎます。この命名額の文字は三条実美直筆なのだそう。

 

階段を上がって2階に行くと、景色が広がります。

 

書院の2階は、実は写経するために使われており、写経机に映る紅葉がきれいだと撮影スポットになったのだそうです。

 

筆者も撮影してみました。これは美しい! 秋にも来たくなりますね。

 

時間のある方は、ぜひ写経してみてくださいね。ボールペン写経です。別途、本格的なものも用意されています。

 

階段を降りて、まずは、「かま風呂」の見学。現存する希少な遺構。現在は使用できません。

 

日本式蒸し風呂の原型なのですね。

 

中はこんな風にドーム型になっています。

昔は、松葉を炊いて、水を撒くことで蒸気が発生していたのだそう。京都出身のご高齢のスタッフの方が「小さいころは暗くて怖くて、暑くて、早く終わらんかなぁと思っていたけど、そのあとに、おいしいご飯が食べられるから我慢してたんですよ。実は、貴重な体験だったんですね」と教えてくれました。当時のかま風呂は、こんなに明るくなかったのですね。近年は、水を撒くのではなく蒸気が出てくる穴がありスチームサウナのようになるのシステムになっていたそうです。とはいえ、現在、動いているのは八瀬で一箇所ぐらいだそうで、もったいないですよね。

 

そして、書院一階のお庭「瑠璃の庭」の見学。朝早く、苔の朝露が青白く瑠璃色に光る様子から「瑠璃の庭」と名づけられたそうです。この瑠璃光院の由来でもあります。

 

お茶席があり、ゆったりと庭の景色や葉擦れを堪能することができます。かえるの声も聞こえてきます。

 

お茶席で、お抹茶をいただけます(有料)。お菓子は「八瀬氷室」という名前で、持ち帰り用も販売されていますが、人気の抹茶味などは昼までに売り切れることが多いようです。

 

「瑠璃の庭」を堪能した後は、本堂でお参り。写経もこちらに納めます。瑠璃光院は浄土真宗のお寺で、阿弥陀如来立像が祀られています。

 

立撮即行(りっさつそくぎょう)といって、直ちに人を救おうとしておられる姿を現しており、特に、この像は左足が少し前に出ていて、今にも歩き出しそうな姿を現しているのだそうです。

 

その後、喜鶴亭(きかくてい)へ。通路を歩きながら、網代天井や窓ガラスを楽しんで。窓ガラスは、今では入手困難なイタリア製の大正硝子。ゆらゆらと波打つように見えます。

 

喜鶴亭の庭「臥龍の庭」。茶室の躙口まで石が敷かれている。さて「龍の頭」の形をした石があるというけれど……どこ?

 

ありました!ドラゴンヘッド。龍の鼻先を鯉たちが悠々と泳ぎます。こんもりとした苔むす龍の体が続いている……ということですね。

 

茶室からも「臥龍の庭」を望めます。

 

茶室の入り口の扉は、なんと杉の皮でできている希少なもの。土壁は繊維を練りこんであり、年月をかけても柱との間の隙間ができにくいのです。

 

「臥龍の庭」を望む縁側の屋根の軒桁と思しき材木は、一本杉。すごいですねぇ。

 

ここには、無料のほうじ茶コーナーもありますので、ゆっくりと。

 

解説・案内をしてくださったのは、無量寿山光明寺京都本坊瑠璃光院執事長の中村千里さん。瑠璃光院は、まず建物ありきで、取り壊されるのを救うためにお寺になったのが始まりなのだそう。予想以上に見学に来られる方も多いので、建物や庭園の維持や管理が大変なのだそうです。拝観料が高いと嘆くコメントもWebでは見受けられますが、こんなに素晴らしい日本家屋、日本庭園を残していくための協力費だと考えれば安いモノではないかと、筆者は思うのです。

秋にもぜひ伺いたいです。

 

数寄屋造の素晴らしさに触れられるのも、瑠璃光院の魅力。ぜひ、明治の時間の流れを考慮してゆっくり歩いて拝観することをおすすめします。それがきっと、建物への配慮にもつながるのではないでしょうか。

 

 

【お寺のデータ】

京都 八瀬大原「瑠璃光院」

 

所在地:〒606-0067 京都府京都市左京区上高野東山55番地

電話:075-781-4001

拝観料:一般 2,000円 〜抹茶(お茶菓子付)は別途1,000円〜

拝観期間:2018年4月15日(日)〜6月15日(金)2018年「春の拝観」

※期間中は無休

拝観時間:10:00~17:00

※拝観予約受付なし(団体・ツアーでのチケットの一括販売無し)

※近隣方への配慮としてツアーガイドなどの先導による団体での来院はNGです。

http://rurikoin.komyoji.com/

駐車場:無し

 

>八瀬でお腹がすいたら、どこにいく!?

Information
店舗・施設名 八瀬比叡山口駅
住所 京都市左京区八瀬野瀬町113
電話番号 無人駅のためありません
ホームページ https://eizandensha.co.jp/guide/station/yase-hieizanguchi.html

Writer藤嶋ひじり

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Writer藤嶋ひじり

編集者・ライター・恋愛コラムニスト。洛北と叡山電車を愛する3姉妹の母。子ども時代から鉄分多め。区画整備された新興住宅地育ちで、山々に囲まれた洛北に憧れ移住。

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