会場内には、一服するための和菓子とは別に、「京の都」「京の名所」をテーマに、各店が京菓子の作品を展示していたり、京菓子の歴史を紹介したパネルがあったり、お干菓子を製作するための木型や見本帳など貴重な道具類を間近で見ることができました。
写真を撮っていて面白いなぁと思ったのは、老松さんの「北野の天神さん」と題した作品。
このアングル、とても天神さんっぽい!
そのものズバリではないけれど、伝わりますよね。
それから、ほほぅ!と膝を打ったのが、笹屋伊織さんの「移ろい」と題した作品。
この右下の薯蕷饅頭。
歌舞伎の隈取りみたいでかっこいいけど、なんだろう?と思っていたら、
京都タワーだそうです!
この「言われてみれば!」感。好きですね。
私がお邪魔した日は、実演コーナーに笹屋伊織の職人さんがいらしてました。
立ち見まで出る盛況ぶり。
三角ベラと呼ばれる独特な道具を使って、形作っていきます。
最初は同じような餡玉だったのに、微妙なヘラ使い・指使いで、ニュアンスの異なる2種類の桜が出来てしまうんですよ。
三角べらに、「い」とお名前の頭文字を入れているのも可愛らしかった。
「僕が答えられる範囲でしたら、配合以外ならなんでもお教えしますよ」と参加者からの質問にも気さくに応じてくださった、この道15年目の職人さん。
お話の中で印象的だったのは、「上生菓子の重みを伝えていきたい。これ以上ヘラを入れると粘土細工になってしまう。いかに本物そっくりに作るかでなく、お題を連想させる絶妙な色を出すか、どんな銘が相応しいかということを大切にしていきたい(ざっくり要約)」という内容。
今回の京菓子のラインナップは、どれも春を感じさせる素敵な色合いで、銘も抽象的なものから直接的なものまで、それぞれ素晴らしかったもんなぁと腑に落ちたのでした。
梅苑の入苑料700円と宝物館入館料500円込みで、名店の和菓子が2個とお抹茶がついて2,000円はかなりお得な気がします。
京都市産業観光局の方とお話もさせていただきました。
和菓子2個だと食べきれなくて、1個は持って帰りたいという方がいたらどうしよう…と身構えていたそうなのですが、
「やはり美味しいと皆さん余裕で食べきれるのでしょうか。そういう問い合わせは今の所ないんですよ」
と、仰ってました。
個人的には他にも食べたいのがいっぱいあった(何なら全部食べたい)ので、来年は和菓子追加券もあると嬉しい!
御土居の方までぐるっとして、梅の香りを楽しんだのち、会場を後にしました。
歩き疲れたので、お茶でもしよっか、と山田さんとお店に入ったのですが、
あれ?私たち・・・
「また、あんこ食べてるーーーー!!!!」
今年が初めての開催でしたが、ちょうど梅も見頃の時期のイベントですし、来年はもっと人気が出るのではないでしょうか。
店舗・施設名 | 京菓子Collection |
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ホームページ | https://www.kyokanko.or.jp/kyogashi/ |
Writerかがたにのりこ
Writerかがたにのりこ
あんこをこよなく愛し、月に2回は自宅で餡炊きをするフリーライター。 元・漉し餡党、現在はあんこ博愛主義者。