他にもけっこう無茶振りってありますよね??という質問に、「監督さんの中にはこだわりの強い方もおられますので……」と苦笑される担当さんから聞き出したところによると――
いつもは開きっぱなしになっている、北中仕切門を
「開け閉めさせてほしいと言われまして……」
え!こんなにしっかりがっつり固定されているのを?!
「職員立会いのもと、開閉シーンを撮影しました」
おっと!それは予想を上回る神対応。
荷物を運び入れるのに開いたり閉まったり。そんなレア門、生で見てみたかった!!
門といえば、唐門・北中仕切門と並んで重要文化財に指定されている北大手門も見逃せません。
担当さん曰く、同門は某映画会社から御用達か!ってくらい頻繁に撮影申請がある場所なんだとか。
「時代劇の撮影時は現代のものが少しでも映り込むとダメですから、とにかく細かく目隠しなどがされます。原状回復が条件なので、スタッフさんたちはいつも大変そうですね」
たとえば、マンホールに似た色のシートを貼って砂利をかぶせて隠したり。
ローブを丁寧に外していったり。
「過去にも、業者さんの納品車両が映り込むため、慌てて走って行って移動させてもらったこともあります」とのこと。撮影の立会いはただ見物してるだけに非ズ。文化財に悪影響がないよう常に緊張感をもって見張り、何か起きれば常に超高速!で馳せ参じるのです。
そもそも『大奥』シリーズのロケ地としても有名な二条城ですが、最近ではやっぱりドラマ『天皇の料理番』でしょう!ってことで。
一般開放はしていない、台所前の広場に入れてもらっちゃいました。これぞ役得(´v`)
築城時にも存在した台所(現在の建物は寛永行幸に際して建設されたものらしい)。広い土間と板間を持ち、土間の一角には竈と流しがあったものの、現在は屋根に煙出しが残るのみ。寺院も含めた台所としては屈指の大きさを誇ります。
この広々空間を独り占め(実際には右手後方に担当さんがいらっしゃいましたが)、なんて贅沢☆
今回も存分に“うっとり”を重ねてそろそろ暇乞いを、と東大手門まで戻ってきて、ふと目に留まった荷物預かりのテント。
あれ、こんなんありました?
「つい先月できたばかりなんですよ」
さらには、「世界遺産二条城をめぐるガイドツアー」なる受付所も。
んん、こんなんいつできました??
「去年の11月から始まったんです」
さすが、サービスの向上と進化に余念がありません。ガイドツアーに参加すると、通常は非公開になっている二の丸御殿中庭も観覧できるのでお値打ちですよ。
そして、来る3月23日~4月15日に実施される毎年恒例「二条城桜まつり2018」も手帳にメモ。
幽玄にライトアップされる50品種200本もの夜桜の儚さに溜め息つきながら、間近でゆるりと愛でてください。
ちなみに、和装だと入城無料なのもうれしいところ。
「嗚呼、この石の積み方は切込接ぎ……滾るぅ」
店舗・施設名 | 元離宮二条城 |
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住所 | 京都市中京区二条通堀川西入二条城町541 |
電話番号 | 075-841-0096(京都市文化市民局元離宮二条城事務所) |
営業時間 | 8:45~16:00(閉城17:00) 休城日 要問合せ |
交通 | 地下鉄二条城前駅より徒歩5分 市バス二条城前より徒歩2分 |
駐車場 | あり 有料 |
料金 | 一般600円、中・高生350円、小学生200円 |
ホームページ | http://www2.city.kyoto.lg.jp/bunshi/nijojo/ |
Writer椿屋 山田涼子
Writer椿屋 山田涼子
京都拠点の映画ライター、グルメライター。合言葉は「映画はひとりで、劇場で」。試写とは別に、年間200本以上の作品を映画館で観るシネマ好き。加えて、原作となる漫画や小説、テレビドラマや深夜アニメまでをも網羅する。最近Netflixにまで手を出してしまい、1日24時間では到底足りないと思っている。
Twitter:@tsubakiyagekijo