戦後に創業したクローバー牧場は、現在三代目の松本さんご家族が営まれています。
「おじいちゃん、元々は公務員だったんですよ。その頃戦争中で、満州にいらっしゃって。戦後、満州から命からがら引き揚げてきて、その時に食の大切さっていうのをおじいちゃんご夫婦、痛感されたみたいで。今では想像もつかないことですよね。
それだったらここで牧場をしようとなったみたいです。」
お体も弱かったという初代お祖父様が日本に帰ってくることは、今の時代を生きていると想像も出来ない世界。
そんな初代お祖父様が体感された“食の大切さ”から生まれたクローバー牧場。
お祖父様の大事な想いは受け継がれ、二代目の代から“特別牛乳”を生産されるようなりました。
ファミリーにおすすめの900mlボトル(税込810円)
三代目の松本さんは農業高校を出た後にアメリカへ酪農の勉強に行かれます。
「アメリカって酪農が日本より10年進んでいるんですよね。それぐらいアメリカって酪農大国で非常にレベルが高く進んでるので、主人はアメリカで5年ほど修行して帰ってきました。
以前、アメリカに長いこと住んでいらっしゃった日本人のご家族の方が、日本に帰ってきた時に日本の牛乳が合わなくて飲めないとホームページで探してきてくれて。
“この味!この味~!”って。美味しい牛乳はアメリカでは普通にどこにでも売っている。美味しさの水準が高すぎるんです。」
一切、添加物、防腐剤が入っていないクローバー牧場の牛乳とヨーグルトはどこまでも体に優しく小さいお子様がいるご家庭におすすめです。
脂肪分を均一にしないノンホモジナイズ牛乳は、乳脂肪分が時間を経つと上部に出てくる“生きている牛乳”とも言われるそう。動かさないで置いておくと、上部に天然の生クリームが出来るという、なんとも変化が楽しい牛乳です。
日々、少しづつ味が変わり味が深くコクが出てくるのも楽しみの一つ。
お客様には通な人もいるそうで。
「こないだの土日、男の子が来られて“消費期限一番古いのちょうだい。濃いのが好きやねん!”って言うて。土日はいろんなお客さん来られるので。」
時間が経つことで味わいが深まるなんて、いろんな楽しみ方が出来ますね。
その他にも、特別牛乳の美味しさに感動して、バイクで全国4ヶ所にある特別牛乳を巡る旅をしてる方が来られたりと一度飲むとその美味しさにファンになってしまう方があとをたたないそう。
この美味しさなら、追っかけファンになってしまう気持ちわかります!
取材中に松本さんに甘えていたみーちゃんと仲間たち。
牧場をお手伝いされた当初は、不慮の事故で亡くなってしまった牛に対してナーバスになってしまうことも多かったそうですが、旦那様のお言葉に助けてもらったそうです。
「これからも何かで牛が死ぬ場合もあるやろう。アメリカの人に教えてもらったことの一つにな、牛が死んだ時は自分たちの代わりに逝ってくれたと思えって。”自分たちの病気的なものやしんどさとかを全部牛が持っていってくれた”と思いなさいって。そんな風に思っておくといいで。」
そんな風に思えるのは、愛情をたっぷり込めて育てているからこそ。
「酪農の牛は10年くらいが寿命になってしまいます。うちに産まれてきたことも、意味のあることで。私ども、あの子達がね、絞ったものを、本当に良さを伝えていきたいと思います。」
そう語る松本さんの温かい表情が、とても素敵で印象的でした。
今後は、もっともっと特別牛乳を広めていきたいとおっしゃる松本さん。お母さんとお子さんが寛げるような場所を作ることも考えているそう。
まだまだ知名度が低いことが悩みだと仰っていたけれど、昨年から全国のセブンイレブンでクローバー牧場の特別牛乳配合の飴が販売されています。味覚糖さんから発売されたこちらの飴。
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濃厚だけど喉に残らない優しい甘みは、まさに特別牛乳の美味しさをそのまま生かしたもの。
見かけたらぜひ味わってみてみてくださいね。
大事に育てられ、作られた牛乳のお味はとっても特別で贅沢なものでした。
“食の大切さを感じる=生きることの大事さを感じる”ということ。
大事なことを日々身近に感じているからこそ、とっても美味しい牛乳が作られているんだなと松本さんのお話を伺って感じました。
クローバー牧場の特別牛乳は、通信販売とクローバー牧場での直売のみ購入できます。
すぐに来るのが難しい人は通信販売もおすすめですが、せっかくなら木津川市の自然と共に味わいにいらしてみてください。
牛乳好きな方、そうではなかった方も、きっと今までに味わったことがない牛乳に出会えるはずです!
店舗・施設名 | クローバー牧場 |
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住所 | 京都府木津川市加茂町観音寺今辻38 |
電話番号 | 0774-76-7717 |
営業時間 | 10:00~18:00 年中無休 |
交通 | JR京都駅より加茂駅まで奈良線で約1時間 JR加茂駅より タクシーやバスなど、車を使った交通手段で約10分 バス:奈良交通 加茂108 浄瑠璃寺口 徒歩4分(300m) |
ホームページ | http://www.cloverfarm.or.jp/ |
Writer鈴木あみ
Writer鈴木あみ
旅とお酒と音楽と自然が大好きな旅人ライター。
現在、京都でお酒の修行中。