ふじや鰹節店です。
国内産の鰹節や天然昆布を中心に、いりこや干椎茸といった乾物がここで揃います。
一口に削り節といっても、本ガツオに鯖、いわし、それらの混合など数多くあり、料理に合わせて使い分けるもの。
昔は、こうして乾物屋さんで買って、各家庭でブレンドし、お出汁を取っていましたがスーパーで袋詰めされているだしパックを使い慣れた現代人にとって、たくさんの種類の削り節が並んだ光景は新鮮に映ります。
といっても、どれを買っていいかあまりわからない方も多いのでは。
こちらでは、どんな用途で使いたいか相談すると一番ピッタリなものを選んでくれます。
おいしい出汁の取り方もアドバイスしてくれるので安心です。
「自然食のほんまもんを」と熱い思いを持って日々お客様と接している店主の藤井さん。
鰹節と削り器を置いている店も今では少なくなりました。
削り器セットには削り方DVD(英語字幕付き!)もついてくるので、最近ではこだわった食の味を求める外国人がお土産に購入されることも多いそうです。
削りたての香りは格別!とのことで、私も体験させていただきました。
素材の味がはっきりと感じられ、素人でもパックの鰹節とは全く違う風味が分かります。
良い素材は一番おいしい瞬間にそのまま味わうのがベストですね。
そして節の断面の美しいこと!
作るためにとてつもない手間がかけられたことがうかがえます。
手で節用にさばく技術を持っている人が減少していること、国内産鰹の漁獲量が制限され、節に加工できる量が減っているなど、いま業界が抱える問題についてお話を伺いながら、日本人が生み出した昔ながらの食に考えを巡らせました。
せっかく日本人に生まれたのだから、たまには心をこめて自分でお出汁を取ってお味噌汁を作ろう。
お店を訪れ、藤井さんとお話すればきっとそう思いたくなるはずです。
少しお向かいにあるのは、こちらも出町の食スポットとなっている、いづもや豆腐。
このような水槽からくみ上げて販売するスタイルのお豆腐やさんも、だんだんと少なくなってきました。
お豆腐のほか、厚揚げ、京ひろうす、おから、野菜みそなどたくさんの種類の商品が並びます。
人気の具沢山の京ひろうすは、豆腐を絞り、具を入れて丸め、揚げてできあがるまで3時間ほどかかるそうです。
大豆製品が大好きなので欲張っていくつか食べ比べしてみましたが、どれも大豆の甘みが感じられて手づくりの優しい味。
ちょうど店のフライヤーで上げたばかりの厚揚げをいただくことができました!
かりっとした表面と中の豆腐の濃い味が絶妙で、そのまま何もつけずに十分味わえます。
実は、もう一つ人気を博しているのが、コロッケなのです。
同じ商店街のコロッケ屋さんが辞めてしまわれた際、こちらで引き継いで販売されるようになったそう。
手づくりコロッケを仕入れ、店頭で揚げて販売しています。
50年以上続く味は今も多くの人に愛されています。美味しさにもお値段にもびっくりですね。
ふと足元を見ると、石畳に所々デザインされた石があることに気づきました。
しかも、一つずつデザインが違います。
こんな手づくりの顔出し看板があったりと、地域の方の商店街に対する思いが感じられますね。
ここには掲載しきれないですが、他にもちょっと笑ってしまう看板や、興味深い看板が所々置かれているのでぜひ探してみてください。
やはり商店街の魅力は、スーパーの売り場ではできないような、会話のある買い物ができること。
生産している人、お店に立つ人の顔が見えることなのではないかなと思います。
買い物の用事がなくても、近くへ立ち寄った際には商店街をゆっくり歩いてみてください。
他のどこにもない、お店や人との出会いがきっと見つかると思います。
取材先店舗
・出町座(出町座のソコ、CAVA BOOKS)
10時台~23時台
TEL:075-203-9862 https://demachiza.com/ http://cvbks.jp/ https://www.facebook.com/demachiza.no.soko/
・ふじや鰹節店
10時~18時 定休日:水曜日
TEL:075-231-1283 http://www.e-kanbutu.com
・いづもや豆腐
9時半~19時 定休日:火曜日(不定休のときあり)
TEL:075-222-0320 http://www.izumoya.demachi.jp/
店舗・施設名 | 出町桝形商店街 |
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住所 | 京都市上京区青龍町229 |
交通 | 京阪電車 出町柳駅より徒歩約3分 京都市バス バス停 河原町今出川下車すぐ |
ホームページ | http:/masugata.demachi.kp/ |
Writer山本あかね
Writer山本あかね
京都でシェアハウスを運営するフリーランサー。シェアハウスと地域とを繋げる企画を行っています。「自分の好きな場所」に拠点を置くライフスタイルの構築に向け、京都に留まらない活動を広げていいます。