ようこそおおきに、椿屋劇場支配人ことライター椿屋 山田涼子です。
みなさん、京都お好きですか? 映画、お好きですか?
本の虫×歴女=時代劇道へまっしぐら。
好きが嵩じて、大学卒業後に京都へ移り住み、着物に魅せられ(気づけば誂えるようになり)、劇場に足繁く通ううちに、ついには仮想現実的映画館「椿屋劇場」をWEB上につくり上げて支配人の椅子に座しているわたくし、椿屋が、「日本映画発祥の地」として知られる、ここ京都(※1)より、毎月第4金曜に京都中に点在するロケ地をご案内していく所存です。
(ちなみに、フリーランスの身ではプレミアムフライデーの恩恵なんてないに等しいと思っていましたが、なんと映画がお得になるんですよ!)
どうぞ、引かずにおつきあいくださいませ。
記念すべき第1回は、思わず悪代官(桜吹雪でも可)ごっこをやりたくなる東映太秦映画村!
(以下、親しみを込めて映画村)
時代劇といえば!なチャンバラに挑戦できる「ちゃんばら辻指南」や、現役の俳優さんが裏話を交えつつ村内をガイドしてくれる「おもしろ散策ツアー」、撮影の裏側が覗けてしまう「シネマスタジオ・ライブ」といった参加型プログラムが盛りだくさんな上に、「からくり忍者屋敷」などさまざまなアトラクションも。
気になるものを網羅していたら、とても一日では足りません!!!
村内の中心となっている時代劇オープンセットは、コンスタントに映画やドラマのロケに使われています。ここで撮影されている最も有名作品は、やはり「水戸黄門」シリーズ。「銭形平次」に、「暴れん坊将軍」なども撮られていました。
この日は、映画村で広報を担当されている行吉さんがご案内してくださいました。
ちなみに、行吉さん、「生息地は職場と映画館と自宅のいずれか」で、「自宅では、録り溜めた深夜アニメと積読の消化に余念がありません」との言から、もうわたくしシンパシーしか感じません(笑)
こちらは、『銀魂』の「万屋銀ちゃん」となっていた便利屋。
映像を思い出しながら、ちょっとうっとり。
その建物の前の通りは、『本能寺ホテル』のホテル外観セットが建てられていた場所。
いまは跡形もなく撤去されているものの、撮影中は全面にアスファルトが敷かれていたというから驚き。
しかも、建っていたのは外観(入り口)だけで、一歩中に入れば別の場所の屋内セットへワープ!
セットがあるときに訪れれば、間近で見学することもできるというから、うっかり年間パスを買って通いたくなる誘惑に襲われるのもしょうがないですよね。
そこから振り返れば――
新しい建物が造られている最中。お仕事、ご苦労さまです。
新しく塗装されている家屋の手前あたりにクレーンを設置して撮られたのが、『るろうに剣心』。
屋根の上を駆け抜けるシーンの後は、「瓦がえらいことになってました(笑)」と行吉さん。そりゃそうか。
ここは、NHK朝の連続ドラマ小説でだんじりが曳かれる道にもなったらしく、「組み立ててからだと運び込めません!」と訴えたとのこと。
港町を再現したエリアのこの池(通称、特撮プール)も、頻繁に使われるのですが、ご覧のとおり、まあ、緑が濃いというか、要するに、……汚い。(失敬!)
大部屋の俳優さんたちは、斬られ役として、よく落ちてらっしゃる。
それはもう、躊躇なく華麗に飛び込まれている。お仕事ですから。
だが、主役級の有名な役者さんの場合は、さすがにこのままというわけにはいかず、スタッフ総出で大掃除の号令がかかる!
全ての水を抜いて、ゴシゴシゴシゴシ洗って、きれいな水を溜める。
中でも、『のぼうの城』の野村万斎氏が舟を浮かべて踊り、撃たれて落ちるシーンでは、2月の撮影だったこともあって、「水を入れた後にお湯になりませんか?って言われまして」。
無理じゃないか? と思っていたら――
「本当にタンクでお湯を運んで来られたんですよ。せめて落ちるところだけでもとおっしゃって。いいですけど、すぐに冷めますよ(笑)と言いながらも、なんとか入れました」。
見どころいっぱいの村内には、常時、侍や町娘や読売などが歩いていて、道案内や記念撮影はもちろん、撮影の裏話が聴けたりも。
こんな小芝居にも付き合ってくれちゃいます☆-(*´∀`)八(´∀`*)ノイエーイ
ところで、訪れる際は観光バスが停まる正面ゲートではなく、撮影所入口に並ぶJR太秦駅からのルートを取れば、ザ・撮影所の空気感を満喫できること間違いなし。
運が良ければ、撮影中の役者さんに遭遇することができるかも?!
移動の途中では、ドラマ「みをつくし料理帖」に登場した屋台で酔っ払いごっこもできちゃいます♪
美術さんが気紛れに描いているという壁画は、気づけば伸びているのだとか。
こんなかんじに。感心しきり。
わたくし以前、「何かのネタになるかしらん」とドラマのエキストラとしてお声ががかった際、映画村にお仕事(オホホ)で訪れたことがあるのですが、ADさんのお迎えを待っている間に「UDIラボ」より多忙を極める「科捜研」を舞台にしたドラマ「科捜研の女」に当時出演中だった池上季実子さんとすれ違って小躍りした経験が!
そのときは村内で最も有名と言っても過言ではない「日本橋」の手前で、温泉郷で買い物をする観光客に扮したのですが、袂にある番屋を控え室として暖を取っていました。
ここ、通常は関係者以外立ち入り禁止なのであしからず。そして、この橋の向こう側は……
階段!!
橋の下に建っている家屋は、昨年の台風で大ダメージを受け、修繕したばかり。
新しいけど、ちゃんと苔むしているように造り込まれているのは、「さすが」の一言に尽きます。
店舗・施設名 | 東映太秦映画村 |
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住所 | 京都市右京区太秦東蜂岡町10 |
電話番号 | 0570-064349(営業時間・料金等のご案内) |
営業時間 | 12~2月/平日9:30~16:30、土日祝9:30~17:00 3~9月/平日9:00~17:00、土日祝9:00~18:00 ※ただし5月3~5日8:30~20:00 10~11月/9:00~17:00 |
交通 | JR太秦駅より徒歩5分 嵐電太秦広隆寺駅より徒歩5分 嵐電撮影所前駅より徒歩2分 |
駐車場 | あり 有料 |
料金 | 大人2,200円、中・高生1,300円、子供(3歳以上)1,100円 |
ホームページ | http://www.toei-eigamura.com/ |
Writer椿屋 山田涼子
Writer椿屋 山田涼子
京都拠点の映画ライター、グルメライター。合言葉は「映画はひとりで、劇場で」。試写とは別に、年間200本以上の作品を映画館で観るシネマ好き。加えて、原作となる漫画や小説、テレビドラマや深夜アニメまでをも網羅する。最近Netflixにまで手を出してしまい、1日24時間では到底足りないと思っている。
Twitter:@tsubakiyagekijo