あけましておめでとうございます!
寺社仏閣が多い京都だからでしょうか、新年の澄み切った空気がいっぱい感じられます。
2018年最初に訪れたのは、堀川商店街です。
その名前の通り、堀川通沿いの西側にあり、南は下立売通から北は下長者町通のアーケードがある部分です。
堀川通を北へ上がっていくと、南側のアーケード入口が見えてきました。
堀川沿いに並ぶ団地の1階に店舗があり、商店街を成しています。
団地と一体になったスタイルは、比較的現代になってからのものに思えますが、その成り立ちを調べてみました。
平安京の都の造営以来、中立売通・下立売通、長者町筋の一帯は商工業が発達し、堀川は水路河川として使用されその沿岸も発展してきました。
昭和初期になっても、京都市における有数の賑わいを見せ、堀川京極として栄えましたが、疎開により当時の商店街は昭和二十年に取り壊されてしまいました。
そして戦後、全国で最初の公営店舗付住宅として再建され、現在の形になりました。
近年は建物の老朽化が進み、再開発計画も進んでいますがちょっと寄っていきたくなる個性的なお店があります。
そのうちのひとつ、まず足を止めたのはこちら!
倉日用商店さんです。
店の外まで陳列された、生活雑貨。
日用商店って、いったい中にはどんなものが置いてあるんだろう。
通りがかる人にそう思わせ、足を止めたくなるわくわく感を与えます。
入り口から覗くあたたかみが感じられる店内の様子に思わず中に入ってしまいます。
店内には今ではあまり見かけなくなった、昔ながらの日用雑貨から、可愛らしい雑貨、民芸品まで様々な商品がところ狭しと並んでいます。
お店にいらっしゃったのは、店主の木村さん。
堀川商店街で空き物件を募集しているところに出会い、お店を開いて16年になるそう。
基本は民芸品店ですが、そこに生活雑貨をあわせ、昔のものと今のものが同時に存在する空間をつくっています。
京都の家は狭いので、今でも昔の生活雑貨が馴染むんです、と木村さん。
例えば、お弁当箱。
今でも広く使われる欠かせない生活雑貨ですが、ここには懐かしのお弁当箱がずらっとそろっています。
民芸品は、木村さんのお母様の実家がある、宮城・白石の特産品も取り揃えています。
可愛らしいこけし。
特に気になったのがこちら。
これ、レザーかなと思いきや、和紙なんです。
グラデーションがかった鮮やかだけれども繊細な色使い、型押しのでこぼこ感。
触ると和紙の質感が感じられます。
この白石和紙、お札と同じ材料でできています。つまり、とっても丈夫。
昔はなんと衣類も作られていたほど丈夫で、このカードケースも耐水性があります。
しかし、数年前に職人さんが辞めてしまい、生産不可能になってしまったそうです。
現在はストックのみ市場に出ており、流通も少ないです。
木村さんが現地で買い付けしているからここに並べられるアイテムなのです。
こうやって、歴史ある良いものが知らない間に消えていっているのかもしれないなとふと思い寂しくなりました。
現代の画一的な工業製品では感じられない、思い、文化が込められたものを身近に置くそんな暮らしの魅力を伝えてくれるお店です。
コーヒーも店内でいただける倉日用商店さん、居心地が良く、もっといたいと思いつつも商店街探索のため店を後にします。
店舗・施設名 | 堀川商店街協同組合(堀川商店街) |
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交通 | 京都市営地下鉄 丸太町駅より徒歩約15分 京都市バス バス停 堀川下立売または堀川下長者町にて下車すぐ |
Writer山本あかね
Writer山本あかね
京都でシェアハウスを運営するフリーランサー。シェアハウスと地域とを繋げる企画を行っています。「自分の好きな場所」に拠点を置くライフスタイルの構築に向け、京都に留まらない活動を広げていいます。