ごきげんいかがですか。
あんこ好きライター、かがたにです。
連日の厳しい寒さに、暖かい食べ物が恋しくなります。
あんこ界で言うならば、おぜんざいでしょうか。
そんな寒い時期に「よし、今日こそはおぜんざいだ!」と思ってお店に向かっても、つい頼んでしまう魅惑のひんやりメニューがこちら。
「茶房いせはん」さんの「いせはん特製あんみつ」(900円)です。
出町柳に1997年にオープンした同店が、以前は荒物屋さん(ホームセンターの小売のようなお店)だったことを知る人は少ないのではないでしょうか。
かく言う私も今回の取材で初めて知ったのですが、荒物屋から甘味処ってすごい方向転換ですよね。
藤岡弘、からの瀬戸康史!みたいな振り幅。
出町柳は私が京都で初めて住んだ街なのですが、98年からなので、すでに「いせはん」さんは茶房としてオープンされていたんですよね。
最近は色々と新しいお店が増えていますが、尾崎食品さん(こんにゃく)、美容室EITAROさん、そして「茶房いせはん」さんの変わらぬ並びは、いつも私をほっとさせてくれます。
丹波大納言小豆、白玉、わらび餅、抹茶ゼリー、黒糖ゼリー、寒天、ソフトクリームという、まさに主役を張れるオールスターが勢揃い。
これは甘味界の「アベンジャーズ」ですよ。
しかもアベンジャーズの面々より、チームとしての調和がとれていると思います(笑)。
全てが一目で見えるように盛り付けられています。
ナイスフォーメーション!
一口目から好きなところを食べられるし、好きなものを組み合わせて食べられる。
これって、パフェにはない醍醐味ですよね!
白玉はしっかりめのモチモチで、
寒天とゼリーは同じカットゆえに食感の違いが際立って感じられるハズ。
シャキぷるの透明な寒天、モチッと感のある黒糖ゼリー、ほろりと崩れる抹茶ゼリー。
柳櫻園茶舗の抹茶を使った甘さ控えめのゼリーが口の中をリセットしてくれます。
わらび餅はソリッドなビジュアルからは想像できない程、柔らかく、口に入れると、ねっとりハラハラと溶けていきます・・・。
しっかりとした乳脂肪分のコクを打ち出しながらも、豆乳をブレンドすることで後味をすっきりと仕上げたソフトクリームの包容力。
ここでも、<乳製品×あんこ=間違いない>の法則 が発動!
そういえば、あんみつなのに、「みつ」に触れていませんでしたね。
終盤になると、底に潜んでいる黒蜜がまたいい仕事をしてくれるんですよ。
波照間島の黒糖をブレンドしたやさしい甘さが全体を上品にまとめています。
表舞台で活躍する華やかなアベンジャーズとは少し毛色の違う、影の功労者です。
すわ!この存在は・・・フィル・・・?フィル・コールソンなのでは・・・!
(黒蜜の夏のかき氷ではメインに躍り出るあたりも、後にスピンオフドラマで主役になるフィルに通じる!)
そして、なんといっても「あん」!
このツヤツヤの京都府産・丹波大納言小豆のカリスマ性。
特に大粒のものにこだわって仕入れていらっしゃるとのこと。
ちょっと硬めで、甘さも抑えめ。
しっかりと豆の食感と風味が残っているのが特徴的だと思います。
「祖母が料理の上手な人で、特にお正月の黒豆が絶品だったんです。あの味が僕の中で豆のおいしさの理想になっているかもしれませんね」
と話すのは、全ての仕込みから盛り付けまでを一人でこなされている店主の伊藤さん。
「特に小豆がとびきりの出来で炊けた日は、どんなに忙しくても盛り付けるのが楽しいんですよ。ホールは彼女たちに任せて、僕はひたすら厨房で盛り付けをしています」
と、ホール係の学生さんとも息ピッタリの様子。
皮が薄く、腹の破れにくい丹波大納言といえば、極限まで柔らかく炊くのが定石!みたいな勝手なイメージがありましたが、それを覆してなお、大納言らしさを堪能できる一皿です。
「いせはん特製あんみつ」は一年を通じて楽しめるメニューですが、寒い季節に暖かい店内でいただく幸福感はまた格別。
・29日、30日 11時~17時半ラストオーダー・31日、2018年 元日 11時~17時ラストオーダー・2日~4日 11時~17時半ラストオーダー・5日より平常通り営業
邪気を払うと言われる小豆(しかも大粒!)のパワーをいただきつつ、素敵な1年のスタートを切ってはいかがでしょうか。
店舗・施設名 | 茶房いせはん |
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住所 | 京都市上京区青龍町242 |
電話番号 | 075-231-5422 |
営業時間 | 11:00~18:30(火休・祝日の場合は営業) |
交通 | 京阪出町柳駅から徒歩約5分 |
ホームページ | http://www.isehan.demachi.jp/ |
Writerかがたにのりこ
Writerかがたにのりこ
あんこをこよなく愛し、月に2回は自宅で餡炊きをするフリーライター。 元・漉し餡党、現在はあんこ博愛主義者。