こんにちは。師走の京都は、もう冬模様。京町家の我が家は冷え込みが増してきました。
今回訪れたのは、上京区の大将軍商店街です。
京都市の北に位置する商店街で、西大路から中立売通りまで約400mの長さを東西に走っています。
東の端は、ここ。
一条の中立売通で、有名な北野天満宮のすぐ近くです。
いきなり、商店街入ってすぐの店舗の看板に『Yokai soho』という妖怪の文字が飛び込んできます。
そして気になるのはこのオレンジののぼり。
その他は、なんの変哲もない普通の商店街に見えますが、進んでいくと
あっ!妖怪発見!
妖怪ぬらりひょんがお出迎え。
お茶屋さんの軒先でお客さんを迎える看板妖怪。
飛び出し坊やまで三ツ目に…
そのまま進んでいくと
あっちにも
こっちにも
これは、正直ちょっと怖かったです…
店によって妖怪が個性的で、見飽きないです。
事前情報によると、妖怪にまつわるメニューを出している飲食店もあるそうで、どんな食べ物なのか気になりますが、ちょっと挑戦的には違いなさそう。
思わず足を止めたのは外観のインパクト大のこのお店「お食事処いのうえ」。
妖怪メニューがありそうな雰囲気いっぱいの中でのれんをくぐります…
迎えてくれたのは大将の井上さん。
うどん、ラーメンの麺類を中心に定食、一品もそろえています。
この商店街振興会の理事もされています。
この商店街が妖怪ストリートになるまでのいきさつを熱く語ってくださりました。
この地には百鬼夜行(ひゃっきやぎょう)の伝承が残っています。
百鬼夜行とは、深夜に徘徊する鬼や妖怪の群れ、行進のこと。
ここでは、旧正月に不要になり捨てられたものたちが、捨てられたことを呪って、
古い道具やものに宿る付喪神の力を借りて化けた妖怪が歩いたと言われています。
商店街の活性化を考えたときに、ある絵描きのお客さんから、妖怪をテーマにしてはどうかと言われ、4~5年温めたアイデアが動き出したのが約13年前。
当初は反対の声も多かったそうですが、学生の協力や地元の理解を得て、今では商店街最大の行事である10月の仮装行列「一条百鬼夜行」、全国から様々な作家が集まる妖怪アートフリマ「モノノケ市」などのイベントが恒例となりました。
実は非常に気になっていた、店内に掲げられている大将の似顔絵も、商店街で開催されている、全国から妖怪関連のアーティストが集まる「市」で描いてもらったものだそうです。
さて、試さずにはいられない、発見した妖怪メニューはこちら
「妖怪ラーメン」です!
竹炭の黒いスープにクチナシ色素の紫麺。中央にピータン、仕上げにパプリカパウダー。
見た目からは、箸を付けるのに勇気が要りますが…
あっさり鶏がらスープが美味しい!
麺とも良くマッチしていて、ピータンがいいアクセントになっています。
あっという間に完食しました。
お腹も満たされてお店を後にし、向かったのは商店街に面するこちらの神社。
大将軍八神社です。
祀られている大将軍神は、陰陽道・道教の信仰による方位を司る神様。
平安遷都の際に平安京の北西の角の地に置かれたのが始まりです。
実は洛中の北の要所となる神社で、パワースポットとしても注目を集めています。
星、方位の神様ということで、パンフレットには大将軍座が描かれ、
各干支のお守りも星座があしらわれています。
シックな紺色に星座がきらめくデザインがおしゃれ。
方位除けのステッカーなども手に入ります。
旅行や転居など様々な場面でご利益にあやかりたい神社ですね。
その神社の近く、マンションの一階に気になるお店を発見。
奥まった入り口の上に『魔法にかかったロバ』とあります。
ここは日替わり店長のお店。
昼・夜で毎日違う店長が様々なコンセプトでお店を開いています。
通称『まほロバ』の愛称で呼ばれています。
いったいどんなお店があるのかというと、鹿肉を味わえる『京しかde café』
お見立て付きでお安く着物が買える『着物BAR』
などなど、個性的なテーマのお店が1か月ぎっしり並んでいます。
店長さんのスタンプラリーもあって、遊び心いっぱいで色んな日に来たくなります。
この日は『いちなんカフェ』のランチ営業でした。
切り盛りしているのは、店長の孫さん。
たくさんの店長さんたちがいる中で、まほロバ運営事務局お墨付きの店長は認定店長の称号をもらえるのですが、孫さんもそのひとり。
まほろばさんに出店を始めて、もう5年になる老舗店長さんです。
普段は一乗寺で焼肉店『焼肉屋 いちなん』をされている孫さん。
始めは、まほロバさんではサンドイッチ、うどんなど様々なメニューを出していたそうです。
すぐに出せてお安くおいしいもの、を考える中で現在のカレーに行き着きました。
とっってもいいにおい。焼肉屋さんのカレー、美味しいに違いないですね。
しかもなんと、お代わりフリーという太っ腹。
大学生も多いこのエリアで、食べ盛りの若者にとっては嬉しいサービスです。
若者と社会をつなげるという理念で運営されているまほロバさん。
少しでも多くの若者に、社会との接点と新しい価値観に出会ってほしいという思いで、オープンより5年、多様な世代と立場の人たちとの出会いを生み続けてきました。
ちなみに、誰でも店長にチャレンジすることができます。
利用するのも良いですが、出店側に立つとまた違った楽しみを味わえそうです。
商店街を横切る、天神川の静かな流れ。
一条橋からのこの眺めは、足を止めたくなるポイントです。
まだ紅葉がきれいでした。
橋を渡ると目の前に西大路通、商店街の西の端が見えます。
別名妖怪ストリートの大将軍商店街は、初心者には妖怪探しをしながらの散策が楽しいです。
個性的なお店の中からお気に入りがみつかればきっとまた行きたくなる、そんな場所だと感じました。
【取材先店舗】
・お食事処 いのうえ
11時~14時半 17時半~21時 定休日:火曜日
TEL:075-461-7019
・魔法にかかったロバ
昼:11時~17時、夜18時~24時 定休日:火曜日
TEL:075-463-6866 http://m-pro-kyoto.idvl.info Facebookも要チェック。
店舗・施設名 | 大将軍商店街 |
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住所 | 京都市上京区一条通御前通西入二丁目大上之町75大将軍コミュニティホール1F |
交通 | 京福電鉄 北野白梅町駅より徒歩約5分 京都市バス バス停 大将軍、北野白梅町にて下車すぐ |
Writer山本あかね
Writer山本あかね
京都でシェアハウスを運営するフリーランサー。シェアハウスと地域とを繋げる企画を行っています。「自分の好きな場所」に拠点を置くライフスタイルの構築に向け、京都に留まらない活動を広げていいます。