こんにちは。あんこ好きライター、かがたにです。
最近よく、「そんなにあんこばっかり食べてて飽きないの?」と聞かれるのですが、
まぁ・・・・・、
飽きないですよねっ(どキッパリ)!
それに、あんこだけ食べてるわけじゃないですし。
ケーキとかクッキーとかプリンも大好きですし。
ただ、今回はそのケーキやクッキーやプリンにもyou入っちゃいなさいよ!
とばかりに、あんこを入れたもうた「都松庵」さんをご紹介したいと思います。
「都松庵」さんは、京都三名水の1つ醒ヶ井(さめがい)の近く、堀川三条を少し下がったところにあります。
良質な地下水による小豆の自然な味わいを活かした“京のあんこ屋さん”として、地元の方に親しまれてきた都製餡さんが、東近江(こちらも鈴鹿山系の伏流水に恵まれた場所)に工場を移したのをきっかけに、京都工場の跡地に2012年にオープンした「あんスイーツ」のお店です。
あまりに外観が変わったので、「あれ?ここにあったあんこ屋さん無くなったの?」とリニューアル当初はご近所さんが心配されたそうですが、ちゃんと今もあんこ単品でも売っています。
あんこを素材の中心として考えるオリジナルスイーツがヘルシーで安心と評判で、「アンデチーズケーキ」(290円)はその代表格!
なんだよー、チーズケーキに大納言小豆がちょろっと入ってるだけやん!
って思いました?
さにあらず!
小麦粉を一切使わず、代わりに「生あん」を使用しているんです。
これが、その「生あん」。
「生あん」とは、茹でた小豆や白インゲン豆の皮を取り除いて漉した、砂糖が入っていない「こしあん」の一歩手前の状態。
食物繊維やポリフェノールが豊富で、ヘルシー!
「生あん」の触感はとても不思議。
さらっとしているようで、しっとり感もあり、ポロポロのそぼろ状にも、細かい粒子にも見えます。
ギュッと力を加えると、
こんな風に固まってしまう変幻自在っぷり。
そのまま一口食べさせてもらいました。
・・・うん!茹でた豆の中身の味やね!
(でも、これでサラダとか作っても普通においしそう)
これを小麦粉の代わりに用いて焼き上げたのが「アンデチーズケーキ」。
今までも再三にわたってお伝えしてきましたが、乳製品とあんこの相性は言わずもがな。
珈琲、紅茶はもちろんですが、日本茶にも合います。
「生あん」の他には米粉を少し繋ぎに使っており、焼き色もお見事。
そして、「生あん」の個性が感じられるのが、風味よりもその食感。
チーズケーキ特有のねっとり感は残しつつ、独特のホロッとした口どけで、かなりボリューミーなサイズながら、あっさりと食べ進めることができます。
ほらほら!スパッとナイフでカットされた滑らかな断面と、フォークでカットしたザラついた断面の違いに、先ほどの「生あん」の触感変幻自在ぶりが感じられませんか?
それから忘れてならないのが、チーズケーキのレーズンよろしく、入っている丹波大納言鹿の子。
「生あん」には無く、鹿の子にあるもの・・・
それは皮!
白インゲンと丹波大納言という種類の違いを差し引いても、皮があるとこんなに香りが強いのかい?!と驚くほど、しっかりとしたアクセントになっています。
チーズケーキ本体に味や香りを主張するほど白インゲンのクセは強くないのですが、大納言鹿の子を食べた途端、その香りに引っ張られるように「実は私もあんこで出来ていまして・・・」と本体の「生あん」が小声で囁き始めるのが面白いです。
この控えめな主張は、あんこ好きなら気付くけど、そうでないなら気付かないかもしれない絶妙なライン。
「あんこがお好きでない方にも、あんこの可能性を知ってもらいたいと思って」
そんな想いを受けて誕生した「あんスイーツ」ですが、小麦粉アレルギーの方や健康志向の方からの指名買いがデビュー当初から存外多かったそうです。
今でこそグルテンフリーを謳った商品は多いですが、アレルギー制限を念頭においてつくったのではなく、あんこ屋の特性を生かしたおいしいスイーツをつくったら、「そういうの探してたんです!」っていうお客さんが予想外の方向からやって来るって最高じゃないですかね。
まさに“あんこの可能性”に導かれた出会いですから・・・!
「これからも、あんこ屋ならではの、おいしくてカラダにやさしい、みんながハッピーになれる菓子をつくっていきたいですね」
時代がようやくあんこに追いついてきた、そんなことを思った一品です。
店舗・施設名 | 都松庵 |
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住所 | 京都市中京区堀川三条下ル下八文字町709 都壱番舘三条堀川1階 |
電話番号 | 075-811-9288 |
営業時間 | 10:00~18:30(水休) |
交通 | 地下鉄東西線「二条城前」駅から徒歩約5分 |
ホームページ | http://www.toshoan.com/ |
Writerかがたにのりこ
Writerかがたにのりこ
あんこをこよなく愛し、月に2回は自宅で餡炊きをするフリーライター。 元・漉し餡党、現在はあんこ博愛主義者。