こんにちは。
マツモトです。
日中は暑いと感じることもある京都ですが、朝夕はぐっと涼しくなってきました。
そんななか、寂光院にお邪魔してきました。
寂光院は京都市の北、大原に位置します。
お邪魔したこの日は日中の気温が21度。
京都市内とはずいぶん冷涼に感じましたが、紅葉にはまだ早いと感じます。
寂光院の本堂は平成12年5月の火災で焼失したのち、かつてのとおりに再建されました。
ご本尊の地蔵菩薩もこの火災で焼損しまい、いま安置されているのはこれも復興された菩薩像です。
火災の折、焼損した旧本尊の地蔵菩薩像は、加工を施されて収蔵庫に安置されています。
黒く焦げた姿は痛ましいのですが、このご本尊は鎮火後、まっ黒く炭化しながらも崩れることもなくいつも通りの凛とした立ち姿を現したそうです。
そんなご本尊に、寂光院の方々は一条の光を感じられたのではないでしょうか。
さて、いまは寂光院の収蔵庫に大切に安置されている旧本尊、紅葉シーズンの今月下旬から、特別公開が予定されています。
寂光院はまた、源平合戦の壇ノ浦の戦いで、入水しつつも源氏の武士に助けられ、都に連れ戻された建礼門院(徳子)が出家ののち、隠棲したところでもあります。
建礼門院が晩年を過ごした庵は、本堂からはさらに奥に入った、静かだけどちょっぴりさびしい感じの場所でした。
いまは隠宅跡に碑が残るだけですが、徳子が出家したのは29歳の時。
当時の年齢を現代と同じ感覚では捉えられないと思いますが、このときまでに天皇の后となり国母にまでのぼりつめ、そして戦いが繰り広げられる海上を逃げ惑うことを体験し、たったひとり生き残ってしまった彼女の気持ちはどんなだっただろうと想像します。
木々に囲まれ、雪の多さも冬の寒さも現代とは大きく異なっていただろう大原の里に、時にあまりの静かさに押しつぶされそうになったりはしなかったのでしょうか。
念佛三昧に過ごしたと言われる建礼門院の心が偲ばれます。
「秋は紅葉がきれいでしょうけど、人も多いでしょうね」
ご案内くださった寂光院の方に話しかけると、
「紅葉のときは今より賑やかになりますが、ここは少し奥まっているので、そこまで混雑しませんよ」
とのこと。
それを伺って、ほっとしました。
寂光院は、すこし静かな方が似合います。
*
今日は特別にお茶室「孤雲」を見せていただけるとのことで、こちらにもお邪魔してきました。
草木に囲まれた清廉な池の奥にたたずむお茶室は、なんだか床しい雰囲気。
「孤雲」の室内は思いのほか明るい雰囲気で、座ってお庭をのぞむと、前栽や茶室の間を、風がなめらかに通り抜けます。
よい季節に独り占めしたくなる、すがすがしいお茶室でした。
店舗・施設名 | 京都 大原 寂光院 |
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住所 | 京都市左京区大原草生町676 |
電話番号 | 075-744-3341 |
営業時間 | 通常 3月1日~11月30日 午前 9時~午後5時 冬季 12月1日~12月31日 午前 9時~午後4時30分 1月1日~ 1月 3日 午前10時~午後4時 1月4日~ 2月28日 午前 9時~午後4時30分 |
交通 | ◆京都駅前から17番(18番) 〔C3のりばから〕 ◆京阪電車「出町柳駅」前から10番・16番・17番 ◆市営地下鉄「国際会館駅」から19番 ●京都バス「大原」下車 徒歩15分 |
料金 | 大人・高校生:600円、中学生:350円、小学生:100円 |
ホームページ | http://www.jakkoin.jp/ |
Writerデジスタイル京都スタッフ
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