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2017.09.13

デジスタイル京都をご覧の皆様、初めまして!

京都大好き・大阪在住のフリーライター、角と申します。

 

父は京都生まれの京都育ち、母は京都の歴史マニア。

そんな両親の影響からか、生まれながらに自然と京都を身近に感じていた私。

いつしか京都のもう一つの魅力ともいえる異界へ続く数々の伝説的スポットを巡ることに興味を持つようになりました。

 

そこでデジスタイル京都では、自称・京都ミステリーハンターとして王道の伝説スポットからマニアックな場所までを巡っていきたいと思います!

 

さて、記念すべき第一回目に向かったのは京都市上京区。

晴明神社のほど近くに存在する、「一条戻橋」に眠る伝説についてご紹介いたします。

一条戻橋は京都市上京区にある堀川に架けられている橋で、その歴史は大変深く、平安京造営に伴って造られたとされています。

もちろん、それだけの長い歴史があるので橋自体は何度も造り直されていますが、現在も当時と同じ場所に架けられているそう。平安から続く橋が今でも同じ場所にあるというだけで何だか感慨深いものがありますよね!

 

実は、この一条戻橋(通称:戻橋)は、もともと「土御門橋」(つちみかどばし)と呼ばれていました。一体なぜ、全く違った名前に変化したのでしょう?

その理由には伝説的な逸話が隠されていました。

 

平安期に活躍していた漢学者・三善清行(みよしきよつら)が亡くなり、彼を納めた棺がちょうど土御門橋を差し掛かった頃、清行の八男・浄蔵が駆けつけた。修行に出ていた浄蔵は父に別れを告げられなかったことを嘆き悲しみ、どうか息を吹き返して欲しいと願った。すると、その願いが届けられたのか、なんと清行があの世から息を吹き返した。

 

という逸話が残されています。

あの世からこの世へ戻ったという場所として土御門橋は「一条戻橋」という名前に名付け変えられたそうです。

あの世とこの世を繋ぐ橋という意味もあってか、戦時中は「無事に家に帰ってこれますように」という願いをこめて、戦争へ向かう前に兵隊さんはこの橋を通ってから戦地へ向かう風習もあったそうです。

 

戻橋の逸話はそれだけではありません。

 

源頼光の四天王の一人として知られる武将、渡辺綱(わたなべのつな)は一条戻橋の上で鬼女と出逢い、名刀・髭切りの太刀で鬼女の腕を切り落とす

 

という伝説も残されています。鬼と言えば、戻橋近くにある晴明神社のご祭神でもある、安倍晴明公は鬼を使役していたことでも知られていますね。

 

使役する鬼を式神(しきがみ)といい、安倍晴明は家来として扱っていましたが、晴明の妻は式神の顔が怖いというので、普段は戻橋の下に住まわせたのだとか。そして、式神を使って橋占(はしうら)を行っていたという言い伝えもあります。

ほうほう、面白い伝説が残っているものだと、ワクワクした気持ちで実際に一条戻橋へ足を運んでみました。

バスを降り立って数メートル歩くと通りの左手に大きな戻橋がお目見え!

 

・・・うーん、既に整備されているからか一見、普通の橋といった印象でございます。

横断歩道を渡って反対側からのフォルムもパシャリ!

おお、こちら側のアングルの方がしだれ柳が相まって、昔ながらの雰囲気が出てきていますよ。

いいですね、いいですね!

 

 

あらま、どうやら橋の下へ行けるみたいですね。

ということで降り立ってみましょう、いざゆかん!!

 

私の写真技術がまだまだというのもあって、いまいち雰囲気が伝わりきれないかもしれませんが、圧倒的に!橋の下へ降りた方が…イイ!何と言いますか、そう、ゾクゾクする!!

橋の上の風景から一転して、橋の下は昼間だというのに、えもいわれぬ神秘さを感じることが出来ます。

と、いいますのも、戻橋の向こう側はうっそうとした茂みに覆われていて、日中でもほんのり薄暗い感じがするのです。ちょっと近づいてみましょうか。

 

戻橋付近は車通りも多く、雑音も混じっているのに、何故か、橋の真下辺りまでいくと上とは対照的に静かな空気が流れています。

写真の先に見える向こう側の茂みまで進もうと思ったのですが、何となく恐いというか、ドキドキして写真を撮った位置までで断念、無念…。現在の戻り橋は平成7年に造り直されていて橋自体は真新しくなっていますが、橋の下はきっと当時の風景の名残を感じられるのかもしれません。

そのせいか、今でも式神がひょっこり現れそうな予感さえ感じるのです。ちなみに橋の下で見た向こう側はこんな感じ。

もう少し先まで歩くことが出来るみたいですね!

 

 

そして併せて訪れて頂きたいのがやはり、晴明神社。

かつて実際に戻橋で使われていた欄干の親柱を使用し、昔の風情を再現した「旧・一條戻橋」を見ることが出来ます。その横には晴明公の式神石像が飾られています。お顔は晴明公の奥様の言う通り、少し怖いかもしれませんが、どこか愛嬌のある親しみやすさも感じます。

写真提供 : 晴明神社

 

 

今回の、発見!ミステリーポイントは

「戻橋は橋の上より、橋の下から見上げるべし!」

 

ただ通るよりも、橋の下まで歩いてみて様々な角度から眺めてみてください。

日常の中に溶け込む、異界の入り口をより体感できるかもしれません!

 

ぜひ、訪れてみてくださいね。

Information
店舗・施設名 一条戻橋
住所 京都市上京区堀川下之町
交通 京都市バス「一条戻橋・晴明神社前」下車徒歩すぐ

Writer角侑子

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Writer角侑子

京都出身の父を持ち、京都をこよなく愛する母の英才教育を受けて育った、京都好きのWEBライター。 ミステリアスな話、それにまつわるスポット、ついでお香の香りも大好物。

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