グルメ・お土産

2017.09.06

ごきげんよう。あんこ好きライター、かがたにです。

 

9月に入り、次第に過ごしやすい日も増えてまいりました。

かき氷は好きだけど、炎天下に何時間も並ぶのは勘弁・・・という、ワタクシのようなヘタレかき氷LOVERSにぜひご紹介したいのが、「粟餅所・澤屋」さんの「粟餅氷(税込600円)」です。

 

北野天満宮すぐそばにある「粟餅所・澤屋」さんは、江戸時代の創業、屋号の通り粟餅一筋の名店です。

 

梅の名所である天神さんのお膝元にふさわしく、店内でいただける粟餅には「紅梅(3個付)」と「白梅(5個付)」と名付けられています。

ちなみに、きな粉とこしあんの割合はお好みで変更も可能です。

 

基本的には個数の違いだけなのですが、夏場だけはちょいと選択肢が増えるんですよね。

やっぱり澤屋さんに来たら粟餅は食べたい!でも涼もとりたい!

そんなわがままに応えてくれるのが、夏季限定(7月初旬〜9月上旬頃)の「粟餅氷」

 

え?ただのみぞれ氷ちゃうの?と思いきや、このふんわりと柔らかな氷の下に、あん餅が2個隠れているのです。

 

「粟餅氷」のあん餅も、紅梅や白梅同様、注文が入ってからその場で12代目のご主人が手早く丸めてくれます。

つきたての粟餅の入った桶の隣にはきな粉の桶、その奥にあんこの桶があります。

粟餅を丸めると・・・

 

そぉぉいっ・・・!

と、きな粉の桶を飛び越えて、あんこの桶に12代目が華麗に粟餅の舞をキメる!

(SOY・・・大豆だけに・・・て、いうてる場合か!)

 

そして、粟餅にあんこを被せる13代目と14代目。

 

この三世代の見事な連携プレイによってあっという間に、あん餅がレトロな“アサガオ”の鉢に入ります。

 

 

この上にふんわりと氷が盛られるわけですが、柔らかい氷の秘密は保管場所にもあるのです。

 

レジの下にあるイワタニ製の木製冷蔵庫。

本来は上の扉に氷を入れてその冷気で下の貯蔵庫を冷やすためのものですが、これをブロック氷の保管庫として活用しています。

「電気の冷凍庫に入れておくよりも、外に出してすぐに氷がいい感じに削れる柔らかさがキープできるんですよ」

と14代目。

あぁ、氷を削る音が耳に心地いいです。

 

 

鮮やかな抹茶蜜も捨て難いのですが、ワタクシがみぞれ蜜にこだわるのには理由がありまして、それはまた後ほど。

 

はい、到着。

 

かまくらの入り口を作るかのごとく、手前の白雪を掘り進めますと、1つ目の粟餅が顔を出しました。

先ほどのスピーディーな連携プレイと、きめ細やかなこしあんのコーティングによって、氷の下に潜っていても、ほんのりと温かい粟餅の柔らかさが守られています。独特の滑るような喉越しも健在。

 

2個目は食べるタイミングにもよりますが、こしあんが剥がれて、むき出しとなった粟餅が氷によってキュッと締まった状態も、粟の粒感が立ってオツなものですよ。

 

そして、最後のお楽しみがこちら。

みぞれ氷に滑らかなこしあんが溶けあった状態!

他のかき氷だと、氷が解ける前にサクサク食べたい派だけど、「粟餅氷」だけは別。

ちょっと解けるのを待つくらい好きなんです。

 

子どもの頃から「粟餅氷」を食べているという13代目も

「みぞれ蜜だと最後に冷やし汁粉みたいになるのが、いいんだよね!」

と仰ってらして、お気に入りポイントが一緒でなんだか嬉しかったです。

 

店内でいただいている間も、お客さんがひっきりなしにやって来ます。

観光の方も多いのですが、ご近所さんにも愛されている様子が「今日はあんこ6個、きな粉4個にするわ」といったお客さんとのやり取りからうかがえます。

 

 

先日、バレエの講師をしている友人に、澤屋さんの話をしていたら、

「あぁ、そういう名前だったんだ。あのお店の近くでバレエの発表会がある度に、母が観にいらしてくれた方にお持たせで配ってたから、我が家では私が小さい頃から【本番のお餅】って呼んでたの」

という地元感溢れるエピソードを披露してくれました。

 

ほ ん ば ん の お も ち ・・・!

 

この響きの可愛らしさと、親しみのこもった呼び名にワタクシもんどり打っております。

そして、そうそう、お餅が主役なんだよね。

絹のような滑らかなあんこは粒感のある粟餅を引き立てるタイプだなと思います。

 

でも、単体でも素晴らしいので、ぜひ味わっていただきたい。

正直な話、このあんこ飲めますよ!

ですが初心者の方(何の?)は、みぞれ氷に溶かしてからがいいでしょう。

そういった意味でも「粟餅氷」おすすめです。

 

 

作り置きもせず、催事などにも出店せず、天神さんのそばでずっと愛されてきた素朴な味わい。

いつでも出来立てがいただけるお店として、これからも愛していきたいなと思います。

うむ、安泰ですね。

Information
店舗・施設名 粟餅所 澤屋
住所 京都市上京区今小路通御前西入ル紙屋川町838-7
電話番号 075-461-4517
営業時間 9:00~17:00(売り切れ次第)(木休・毎月26日休ただし日・祝の場合は営業)

Writerかがたにのりこ

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Writerかがたにのりこ

あんこをこよなく愛し、月に2回は自宅で餡炊きをするフリーライター。 元・漉し餡党、現在はあんこ博愛主義者。

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