ネーミングに京都らしさも。 〝普通が好きじゃない〟店主のこだわりサンド3種
今回、おじゃましたのは四条烏丸から少し南のエリアにある「Boulangerie MASH Kyoto(ブランジェリー マッシュ キョウト)」。京都で育ち、パリで修業を積んだ増野正行さんが2004年にオープンされたお店で、抹茶や西京味噌などを使った京都らしいパン=〝古都のパン〟を製造・販売されています。
「普通が好きじゃないんです。変わったのが作りたくて」。
取材中、オーナーブーランジェの増野さんが何度かそうした言葉を口にしてニッコリされる様子がとっても印象的。
店内はとにかくおしゃれ! シックなたたずまいにパンが並んでいるのが、カッコ良くて合うんです。
レジカウンターの向こうにキッチンがあり、タイミングが良ければ焼きあがったパンをオーブンから出される瞬間を見ることもできます。パンは全部で40~50種類ほどもあるそう。
そして、お待たせしました。いよいよサンドイッチの登場です。
「にぬきのピタサンド(280円)」は、冷蔵ショーケースの中に入って売られています。
〝にぬき〟とは、ゆで玉子のこと。京都の方言です。
中身は、にぬき、ハム、チーズ、レタス、マヨネーズと王道チーム。食パン生地のピタパンはなめらかで柔らかく、具のおいしさをじゃましません。
続いては、「にぬき(ゆで玉子)&チーズ ポークソーセージ 塩糀フランスサンド(250円)」。塩糀を使ったソフトフランスパンがポイントです。
「もっちりとした食感が特徴で、噛んだ瞬間おしょうゆのような和風の香ばしい香りがします」(増野さん)
中身は、にぬき、サラミ、チーズ。見るからに美味しい組み合わせ。
同じく塩糀ソフトフランスパンを使った「タンドリーチキン 塩糀フランスのサンドイッチ(250円)」。
タンドリーチキンとレタス、マヨネーズ。自家製タレに3日ほど漬けこんでから、しっかりと焼き上げられたチキンは、ジューシーかつ香ばしいです。この味、きっと誰もが好きなはず!
同店のサンドイッチは、現在、この3種類。
ほかのサンドイッチは作らないんですかと尋ねたところ、冒頭のお返事が。
以前は食パンに具をはさむスタイルのものも作っていたそうですが
「他所(よそ)で食べられないようなものを、と思っています」
と増野さん。
つまり「にぬきのピタサンド」「にぬき(ゆで玉子)&チーズ ポークソーセージ 塩糀フランスサンド」「タンドリーチキン 塩糀フランスのサンドイッチ」は、店主のこだわりをかいくぐった精鋭たちなのですね。ちなみに現在、京都人の口に合うアジアンテイストのサンドイッチを考案中だとか。
サンドイッチの作り方は「特に変わったところはないから」とおっしゃるので撮影はしませんでしたが、増野さんの要所要所へのこだわり、食への興味・追究心をビビビと感じ取り、すごいなぁと感じる「サンドイッチャー(注:サンドイッチをウォッチし続ける人)2号」なのでありました。
修行探訪5軒目から得た学び。
「テーマをきっちり決めると、おいしさがブレない」
最後になりましたが、お店の外観も素敵なので紹介を。
和と洋の融合を意識した雰囲気。東洞院通に面していますが、うっかりすると見過ごしてしまいそうなほど街並みに溶け込んでいます。赤い看板を目印に。
屋根の上、「ぱん」と書かれた軒行灯は、昨年のリニューアル時に設置されました
ベルギー産発酵バターを使った「クロワッサン(180円)」。味はもちろん、本場フランスらしい大きさも人気。
さすが、〝古都のパン〟店!
こうした惣菜パンのほか、菓子パンもユニークなものがいっぱい。ポップを読むのも楽しいのです。
店舗・施設名 | Boulangerie MASH Kyoto(ブランジェリー マッシュ キョウト) |
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住所 | 京都市下京区東洞院通高辻下ル燈籠町568 |
電話番号 | 075-352-0478 |
営業時間 | 午前8時~午後7時30分 火曜・水曜休 |
交通 | 地下鉄「四条」駅5番出口から徒歩約5分、阪急「烏丸」駅から徒歩約7分 |
ホームページ | http://mashkyoto.com/ |
Writer岡田ゆき&イチノアユミ
Writer岡田ゆき&イチノアユミ
岡田:サンドイッチ大好き、食べるの大好き。NO グルテン NO LIFEなフリーライターです。
イチノ:初めての長期バイトは、大学時代、京都のベーカリーにて。パンに夢中だった当時、数年間は米を食べなかったほど。ずいぶん大人になり、〝パン熱〟がいくぶん醒めたとはいえ、今もやっぱり食いしん坊です