文化ゾーン岡崎に 川端二条から歩いて5分ほど、平安神宮、京都会館や美術館そして動物園が立ち並ぶ京都の文化ゾーン岡崎エリアのほど近くに京華堂利保はある。 明治36年(1903年)創業当時は東山の六波羅蜜寺近くにあったが、戦火を逃れ現地に移転。以来町家を手直しした、重厚感のある店舗で営業している。 |
俳菓「しぐれ傘」
今回は「しぐれ傘」をご紹介しよう。しぐれ傘の中に入っている商品説明のしおりには、「俳菓」の文字が入っている。 「銘菓」とはよく耳にするが、「俳菓」とはあまり耳なじみのない言葉ではないだろうか?この俳菓、俳句にちなんだ菓子のことである。しぐれ傘のテーマになっている俳句は蕪村が詠んだもの。 化けさうな 傘かす寺の しぐれかな (蕪村) 洛北一乗寺にある金福寺夜半亭。そこにいた蕪村が京都の中心部へいく道中で時雨にあった。古寺で傘を借用したのだが、なんともまあ古ぼけた傘。いまにも手足が生えて舌でも出して踊り出しそうなお化け傘の姿から発句したものがこの俳句。二代目店主が考案したというこのしぐれ傘、はたしてどんな菓子??箱入りのしぐれ傘、その箱をそーっと開けると、傘を開いたようなまるい形のお菓子が現れる。大きなどら焼きを上下に配し、真ん中には柔らかい羊羹をはさんでいる。これがいったいどのようにして「しぐれ傘」のイメージになるのだろうか?まずは、しぐれ傘なら12等分、店主のお嬢さんのアイデアから生まれたしぐれ傘ミニなら8等分にする。その後、添えられている楊枝を足元からさせば・・・形も愛らしい、しぐれ傘が登場!その姿を見ると、思わず笑みがこぼれる一品である。 |
古きものを大切に・・・
京華堂利保で目を引かれるのは菓子だけではない。包装紙やその上から結ぶ紐の豊富さも特筆すべきものがある。包装紙は宝づくし柄で、現在四種類。古くからあった版をそのままつかっているもので、色あいは一つ一つ店主が自ら配している。季節やお客様の好みにあわせて使い分けているそう。進物用の時には、先方の好みで包装紙を選ばれるお客様もいらっしゃるとか。古きものを大切にしつつ、新しい感覚をもとりいれている店。お菓子を選ぶ以外の楽しみもここにはある。 |
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写真歳時 京の四季の花
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京のお守りおみくじ