洛北の地に名店あり 地下鉄の北大路駅から歩いて約5分、紫明商店街の西の端。北大路通と新町通が交差する場所に竹濱義春老舗はある。創業は文久元年(1861年)。昭和の初め頃にこの地に移転、現当主で9代目となる歴史ある和菓子店である。代表菓は、豆菓子「真盛豆(しんせいまめ)」と焼菓子「洛北」。 今回は「洛北」についてお話を伺った。 |
銘菓「洛北」誕生
昭和初期に誕生した「洛北」にはこんなエピソードがある。当時無銘だったこの菓子を、さる会に持参したところ、その場所に集まった美食家たちは、一目その姿形を見ただけで酷評しはじめた。「そういわずに一度食べてみて」との声にしぶしぶ口にいれた参加者たちは、先ほどまでの酷評はどこへやら、口々に賞賛の声をあげはじめた。そのおいしさにいたく感激した参加者たちは「注文がしづらいから」とその場で菓子に「洛北」という名を贈ったという。 食してわかるおいしさ 陶匠によって書かれたという銘の入った包み紙をあけてみると、そこからは甘い香りとともに、素朴で飾らないお菓子が顔を見せる。使っている原料は、小麦粉、卵、砂糖、タンサンと餡。口にいれると中に含まれているザラメの歯触りもまた楽しい。黒砂糖を使い、コクのある仕上がりになっている黒あんとあっさりと食べられる白あんの二種がある。ほとんどの工程が手作業であるため、一日に200~300個程度しか製造できない。それゆえに、販売は一部百貨店と本店、そしてインターネットではデジスタイル京都のみ。10時半から11時ごろに焼き上がる洛北を、店舗に直接買いに行く場合は予約を入れた方が無難であろう。 「毎日味をチェックするために食べても飽きないんですよ」この言葉が洛北のすべてを物語っている。 |
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