醒ヶ井の清らかな水とともに 四条堀川を少し東へ歩いた醒ヶ井通の角、近代的ながらも落ち着いたたたずまいのビル。その一階に亀屋良長の本店はある。店舗入り口の横には「醒ヶ井」と呼ばれる井戸が。この井戸は京都三名水に数えられた井戸を平成3年に現社長が復活させたもの。水量、質ともに申し分なく、亀屋良長の菓子作りとともに歩む重要なパートナーなのである。 |
一陽来復、転じて一陽来福 一陽来復とは、もともと中国で書かれた易経の言葉。陰(悪い気)がきわまり、また陽(良い気)がふくらんでいく、ということを表している。転じて、「苦難の時期が過ぎて、運が向いてくること」、「寒い冬が終わり、暖かい春がくること」の意を表すことが多い。亀屋良長の「一陽来福」は最後の一文字を変え、お買い求めになる皆様に福が来ますように、との思いを込めてネーミングされたそう。 ふたを開けると、顔を見せるのは豆せんべい三種。塩気のある生地に白い豆が入っているのはそら豆、緑色のものはえんどう豆。甘みのある生地には黒豆が入っている。それぞれに歯ごたえ・味わいの違いを楽しめる。お菓子としていただくのもよし、お酒のつまみにいただくもよし。結婚式の引き出物につかわれることもあれば、仏事につかわれることもある。まさにオールマイティーな逸品なのである。 京菓子らしい奥深さ 一陽来福について、本店の若山店長にお話を伺った。 一陽来復という言葉をご存じの方に、時期になると買いに来ていただける。遠くからお見えになったお客様が「前にいただいたのはこれだったんだ!」と気づいて下さる。店頭にたっていてうれしい瞬間です。何気ないお煎餅ではありますが、知ってもらえばもらうほど奥深い、京都のお菓子を感じていただける機会になれば、と考えています。一陽来福は十人十色ではなく一人十色という最近の風潮にぴったりあった商品です。 |
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