創業から現在まで 塩芳軒は明治15年、主家である塩路軒から別家するかたちで創業した。以来、のれん分けを表す伝統の長のれんを守りつつ、「のれん以上の菓子をつくる」姿勢を大切にしてきたという。店舗は堀川中立売から西へ三筋、黒門通を北に入ったところにある。歴史的意匠建造物に指定されているその姿は、見る人に凛とした美しさをも感じさせる。 |
千代たんす
今回ご紹介する「千代たんす」には四種類の干菓子が入っている。 上段には「さざれ石」。純和三盆を使用した打ち物である。中段には 「梅鶴(ばいかく)」。ピンク色の丸い形、梅風味の干菓子である。 下段には「小口(こごう)」という和三盆で作られた落雁。小さな紅で愛らしい口許を表し、中に大徳寺一久製の大徳寺納豆が入った一品。もう一種類は季節ごとに千代結び(有平糖)や松葉(生砂糖)などが入る。 たんす風の箱には手すきの和紙が使われており、食べ終わった後にも小物入れとして楽しむことができる。 ご進物、お土産にもおすすめの品である。 ○和三盆・・・独特の製法で作られる砂糖の中の最高級品 |
地元に密着した菓子作り 塩芳軒の菓子は見た目のかわいらしさだけではなく、一つ一つに対する細やかな心配りが感じられるような繊細さと存在感がある。 四代目、高家昌昭さんは言う。 丹波産の小豆や和三盆糖など、一般的においしいとされる素材はたくさんあります。しかし、いくら上質な素材であっても、使い道によってはその力を十分に発揮できない場合が数多くあるのです。作られる菓子によって最適な素材を選び、その持ち味を生かせるようにこころがけています。 |
|
|||||||||||||||
-
写真歳時 京の四季の花
-
京のお守りおみくじ