京都 路地小路(きょうと ろーじこーじ)
京都の通りをぶらぶらと。穴場情報満載!聖宙庵(せいちゅうあん)
路地小路レポート
- それは新しい「フレンチ」と「茶の湯」の融合。
和の素材がフランス料理に採り入れられたり、改装した町家でフレンチやイタリアンをいただけたり。京都の街中ではそんなコンセプトの空間が増えています。では、フレンチに「茶の湯」をとり入れたら? 聖宙庵はそんな試みを鮮やかに実現したレストランです。露地を思わせるエントランスから玄関を開けると、そこはまさに「お茶会」の空間。
「いまもここでは茶道の教室が開かれているんです」。
と、オーナーシェフの尾花智史さん。パリやプロヴァンスで修行し、京都や滋賀のフランス料理店で働きながら出会った物件がここ。住宅地の一角にあり、町家というよりは「お屋敷」といった風情の一戸建てです。
- お茶の心を、自由な発想でとり入れる。
ダイニングに見立てた座敷には、襖を開け放った二間にお座敷テーブルと、椅子席のテーブルの両方が置いてあります。
「ディナーにいらっしゃったお客様には、最初にこちらの座敷でお抹茶を差し上げます*」
お茶をいただいた後、ゲストはテーブルに案内されます。ひと呼吸置いて、気持ちや息を鎮める間を持つ。こうした心づかいに、茶の湯の心を感じます。
「でも私、本格的にお茶を習ったことはないんです」と、尾花さん。では独学? 思い切って尋ねると、お父様がお茶の先生をなさっていたということです。敢えて習わず、自然に目にすること耳にすることをベースに、あとは自分で考える。そういう工夫が、尾花さんの発想をいっそう自由にしているのかもしれません。
*別室でのお茶のおもてなしは、夜のみのサービスです。ランチは席の移動はありません。
- 和の素材を活かし、フレンチの華やかさを纏う。
聖宙庵では、お料理はお箸でいただきます。食器もすべて和のもの。お休みの日に尾花さん自ら手づくり市に出かけたり、焼きものの窯元さんを訪ねたりするそうです。
さらに料理には、木の芽や青じそ、柚子こしょうなど、個性的な和のスパイスが隠されています。それだけを使うと日本料理に傾いてしまいそうですが、そこはフレンチの尾花シェフ。あくまで料理を支えるものとして使っています。また季節に応じて堀川ごぼうや万願寺唐辛子といった京野菜も積極的に選ぶスタイルは、京の恵みに溢れています。
店に入った瞬間からデザートを終えるまで、驚きと発見に満ちた茶の湯とフレンチのコラボレーション。隠れ家風なロケーションもあいまって、白川通り周辺を訪れる観光客の方も多いそうです。
空間や食器は"侘び茶"を意識し、抑えのきいた和で統一されているため、鮮やかさが一段と引き立つフランス料理。ここを贔屓にする方が増えているのも、なるほど、納得です。
- オススメの一品
味噌アイスクリーム(コースの一部としていただけます。)
聖宙庵のデザートでいただけるのが味噌アイスクリーム。白味噌・赤味噌の2種類があり、どちらも味噌独特のコクと奥深い甘みを味わえます。何も知らないでいただくと、チーズのような香りを感じるかもしれません。味噌の量が難しく、量が少し違うだけで全く違う味になるのだとか。
絶妙のバランスでつくりあげられる聖宙庵ご自慢のデザート、ぜひご賞味を。
※写真はイメージです。
京都市左京区浄土寺下馬場町3>> 地図
TEL 075-205-1627
営業時間
ランチタイム 11:30~15:00 (14:30オーダーストップ)
ディナータイム 17:30~22:30 (21:30オーダーストップ)
※茶道稽古のため水曜夜定休。ランチはご予約にて承ります。
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