TOP > 京都の観光情報 > 京の四季の花 6月 > 今月の花:紫陽花
アジサイは日本が原産の花で、古くは万葉集にも「味狭藍」「安治佐偽」として詠まれています。「言問はぬ木すら味狭藍諸弟らが練りの村戸に詐かヘけり」(大伴家持)・・・人の心と紫陽花の色は移ろいやすいものですね。花言葉もやはり「移り気」だそうです。「紫陽花」という字は平安中期の歌人、源順(みなもとのしたごう)が白楽天の詩中にある「与君名作紫陽花」をアジサイのことと勘違いしたのが起源ということのようです。一方、「あぢさゐ」という名の語源は諸説あって、どれが正しいのかシロウトの私にはよくわかりません。ところで、皆さんはデジタルカメラで紫陽花を撮影していて、花の色が目で見たとおりに出ないので不思議に思われた経験がありませんか? これは人間の目の感じ方と受光センサーの特性が違うことが原因です。特に青紫などの色については光の波長と色フィルターの関係で、撮影した後に「おや?」と思うことが多いものです。色再現に関して言えば、銀塩写真(フィルムを使った写真)でも問題になることがありますが、デジタルのほうがより明確に「違うなぁ」と認識できるようです。この紫陽花の微妙な花の色は、土中の鉄分やアルミニウムなどと関係しています。鉄分やアルミニウムが多いと青くなるようで、これはまあ言ってみれば、ナスの糠漬にミョウバンや古釘を入れて発色を良くするのと同じ原理なんだそうな。では、デジカメで糠漬のナスを撮影したらどうなるか。それはご家庭で実験してみてください。私ならついでによく冷えたビールも用意しておきますけど。