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花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに(小野小町)・・・春の長雨にひとり物思いにふけり、徒に時を過ごすうちに桜もわが身も色あせてしまったと嘆く後姿に(小野小町の絵は後姿しか残されていないので)、当時の男たちは等しく心を動かされずにはいられなかったでしょう。いかにも桜の花に似つかわしい、雅な情景が思い起こされます。ところで桜にまつわる話では「桜の木の根元=死体が埋まっている」という、なにやら雅とは縁の薄そうな怪奇話も聞きます。ネットの小説サイトなどではよく材料にされる話のようです。おそらく坂口安吾の「桜の森の満開の下」(同名の演劇もあるらしい)や、梶井基次郎の「桜の樹の下には」からイメージしたことなのでしょうが、ミステリー好きの現代の若者を見ると頷けないでもないですね。しかし私のような凡庸な人間には、色香よりもミステリーよりも・・・やっぱり花見酒ですかね。

 

◆桜
花山天皇がお手植えされた桜が始まりで、現在50種500本が植えられ、京都の桜の名所となっている。
 
 


上七軒の交差点から北へ徒歩5分の所にある千本釈迦堂(正式には大報恩寺)の境内に、一際目立つ見事な枝垂れ桜の古木がある。



久遠成院日親上人が開祖した日蓮宗の総本山の一つ。境内にはそめいよしの桜がこの時期見頃となっていた。



神光院は、東寺・仁和寺と並ぶ京都三弘法の一つ。参道にはそめいよしの桜が植えられ、丁度見頃となっていた。



善峰寺は西国三十三番ヶ所の二十番札所として良く知られている。この季節は経堂脇の枝垂れ桜が有名で、丁度この時期見頃を迎えていた。

 
  '35年生まれ。'58年、関西大学商学部卒業後日本ハム株式会社入社。'00年、日本ハム株式会社常務取締役退任後、株式会社エヌ・エス・イー代表取締役社長に就任。'03年、株式会社エヌ・エス・イー代表取締役社長退任。勤務中は社団法人日本経営協会評議員、社団法人日本情報システムユーザー協会常任理事、IBMユーザー研究会関西代表幹事、IBMユーザー研究会論文審査委員長を務める。現在、日本アイ・ビー・エム株式会社発行の月間誌「IBMUSERS」の表・裏表紙に写真を掲載中。日本風景写真協会大阪第一支部長。