おでかけ

2025.04.05 ~ 2025.07.21

※イベント中止や延期・開催時間が変更になっている場合があります。事前に公式サイトなどでご確認ください。

2025年度 春季特別展 「並河七宝 ―万国博覧会の喝采―」が
2025年4月5日(土)~7月21日(月・祝)まで開催されます。

今春、日本で開幕の万国博覧会(以下、万博)は、1851(嘉永4)年のロンドン万博が最初です。1862(文久2)年のロンドン万博では日本の品々が展示され、1867(慶応3)年のパリ万博には、日本から幕府、薩摩藩、佐賀藩が参加し、1973(明治6)年のウィーン万博にて、日本は公式参加を果たしました。
奇しくも同年、並河靖之(1845・弘化2年~1927・昭和2年)は、この地で七宝業を創業しました。靖之による「並河七宝」は、19世紀の万博を通じて世界に名を馳せ、多くの人々を京都の並河邸へと誘いました。
並河家は青蓮院門跡坊官を勤める家柄で、靖之は1855(安政2)年、数え11歳で並河家の養子となり、養父・靖全の急逝により家督を継ぎ、天台座主・青蓮院宮入道尊融親王(後の久邇宮朝彦親王)に仕えました。生家の高岡家(近江栗太郡六地蔵梅野木)は武家で、実父・九郎左衛門は武州川越城主松平大和守家臣・川越藩京都留守居役を勤めました。靖之は京都で生まれ育ち、安泰な人生を歩むはずでしたが、時代は幕末維新の激動期にあたり、先行きへの不安が絶えずあり、奉職の傍ら、当時、注目され始めた七宝業に飛び込みました。
日本の七宝業の系譜は近世初期に遡り、幕府お抱えの七宝師・平田道仁を祖とする一族が技法を相伝してきましたが、幕末の尾張藩で梶常吉が独学で技法を開発し、尾張七宝の産地が形成され、庶民による七宝業が胎動しました。近代七宝業は、維新後に京都や東京、神奈川、山梨、埼玉でも着手された新興産業でした。
靖之は1878(明治11)年に七宝を専業とし、次々と万博へ挑み、その都度、受賞を果たしました。殊に並河七宝の有線七宝技法は超絶を究め、高い技術力は世界を驚かせました。金属の器胎を素地とし、施す図柄の輪郭線(アウトライン)を金属線で模り、その中にガラス質の多彩な七宝釉薬の色を挿し、焼成、研磨して創りだされる並河七宝の耀きは、眩い光彩を放ち、高雅な雰囲気を漂わせ、多くの人々を魅了しました。
春季特別展「並河七宝-万国博覧会の喝采」では、日本の万博黎明期に創業し、一代で偉業を成し得た靖之と並河七宝の軌跡の一端をご紹介いたします。「2025年日本国際博覧会」(略称:大阪・関西万博)開催の時に、明治維新後の混沌とする中で、新たな人生を拓く糧として、その術を七宝業に求め、世界に挑んだ靖之と職工たちの真心にふれていただけましたら幸いです。

なお、月2回程度の主屋二階を特別公開しております。二階からは、京都東山の眺望とともに植治の庭園を見おろせます。
※詳しくはホームページをご参照ください。

Information
会場 並河靖之七宝記念館
日時 2025年4月5日(土)~7月21日(月・祝) 10:00~16:30(入館は16:00まで)
住所 京都市東山区三条通北裏白川筋東入堀池町388
交通 ●地下鉄東西線東山駅下車1番出口より徒歩3分
●JR・近鉄京都駅前(A1のりば)、阪急烏丸駅・河原町駅、京阪三条駅から市バス5系統岩倉行きで「東山三条」又は「神宮道」下車徒歩5分
●市バス201、202、203、206系統で「東山三条」下車徒歩5分
駐車場 なし(※駐車場はございませんので、お車でのご来館はご遠慮ください)
料金 ●大人(一般): 1000円 (900円 ※)
 ※( )内は20名以上の団体料金
●高校生以下・障がい者手帳をお持ちの方:無料
・学生の方は大人(一般)より100円引きです。学生証をご提示ください。
・特別公開や催事については、別途料金が必要となります。
お問合せ先 TEL 075-752-3277
ホームページ

http://namikawa-kyoto.jp/

補足情報

【休館日】
●月曜日・木曜日(祝日の場合は翌日に振替)

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