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登り窯の正面に置かれた清めの盛り塩。
窯焼は神への祈りから始まる。 |
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─ 登り窯にこだわるのは? ─ |
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登り窯は火が下から上に進む一方通行の窯なんです。ですから一つの窯のなかでも火のあたりの強いところ、弱いところとあり、どこに作品を入れるかが大事になってきます。 |
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また、燃料に薪を使いますが、これを投げ込むタイミングであるとか、そのときの気温であるとか、いろいろな要素で焼きあがりの姿が変わってきます。もちろん最終的に自分の思ったものに近づけるよう努力するわけですが、こういった不確定な要素が多いほど、ときとして予想以上のものが上がってくるわけです。 |
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ガスや電気の窯で焼けば、ある程度の予想の範囲で仕上がり、もちろんそれもビジネスとしては大切なことなのですが、決してそれ以上のものにはならないのです。 |
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─ 萩焼を鑑賞するポイントは? ─ |
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茶碗など手にとって使うものであれば、必ず触ってみることです。そこで、暖かいのか、冷たいのか、柔らかいのか、硬いのかなど、見た目との違いを意識しながら感じると良いと思います。あと、よく茶碗を見るのにひっくり返して高台を見ますよね。あれはその作家の力がすべて高台に表れるからなんです。高台の形はろくろでは、最後の一周で決まります。その一瞬の切り取りに、大げさですが作家の生き様があらわれるんです。ですからここだけはごまかすことができないんですね。 |
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